外構費用を住宅ローンに組み込むメリットと注意点|その他のローンも解説
住宅の購入・建築費だけでなく、外構費用もローンを利用したいと考える方は少なくないでしょう。
新築時に住宅ローンを借り入れるなら、一緒に外構工事の費用を組み込むことが可能です。
そこで今回は、外構費用を住宅ローンに組み込むメリットと注意点をご紹介します。
その他のローンの特徴や利用すべきケースもご紹介しますので、ご自身にとってメリットが大きいローンを見つけてみてくださいね。
コラムのポイント
- ・外構工事では住宅ローン・リフォーム・フリーローン・カードローンなどが利用できます。
- ・新築時なら、住宅や土地の購入費と一緒に外構費用も住宅ローンに組み込むことが可能です。
- ・借入するタイミングや借入主の状況などによっておすすめのローンは異なるため、それぞれのローンの特徴を理解しましょう。
Contents
外構工事で使えるローンは4種類
外構工事は次のようなローンを利用することができます。
- ・住宅ローン
- ・リフォームローン
- ・フリーローン
- ・カードローン
それぞれのローンの特徴を確認しましょう。
①住宅ローン
住宅ローンとは、住宅の新築や購入、リフォームなどが対象のローンのことを指します。
住宅の新築・購入に関連した外構工事などの借入も、対象になっているケースが一般的です。
他のローンと比べて審査が厳しく手続きも複雑ですが、低金利で35年などの長期間ローンを組むことができます。
②リフォームローン
リフォームローンとは、住宅のリフォーム・リノベーションなどが対象のローンのことを指します。
建物だけでなく、敷地内の外構工事も借入の対象になっているケースが一般的です。
住宅ローンと比べて金利はやや高めで借入期間も短いですが、審査が通りやすく手続きも複雑ではありません。
③フリーローン
フリーローンとは、資金の使い道に制限がないローンのことで、もちろん外構費用として使う場合も借入できます。
住宅ローン・リフォームローンよりは金利が高いですが、カードローンと比べると低金利のケースが多いです。
カードローンのように繰り返しの借入はできませんが、10年などの長期間のローンが組めるなどのメリットがあります。
④カードローン
カードローンとは、利用限度額であれば回数を問わずに借り入れできるローンです。
借入残高に応じて毎月の最低返済額が決まり、その額以上であれば自分で月の返済額を決めることができます。
4つのローンの中で1番金利が高いですが、ATMで借入・返済ができるなど手軽にローンを組める点がメリットです。
新築時の外構費用を住宅ローンに組み込むメリット
新築時なら外構工事も住宅ローンに組み込むことができます。
外構費用を住宅ローンに組み込むことのメリットを確認しましょう。
低金利でローンが組める
住宅ローンは4つの中で1番低金利なローンです。
金利が低いローンを利用すると、月々の返済額を抑えることができます。
300万円の外構費用を10年で借入したと仮定して、金利の差による返済額の違いを確認してみましょう。
金利 | 月々の返済額 |
---|---|
0.7% | 25,892円 |
1.5% | 26,937円 |
3.0% | 28,968円 |
5.0% | 31,819円 |
同じ金額でも金利によって大きく返済額は変わります。
金利0.7%と5%で比較すると、月々の返済額は約6,000円弱の差がつき、10年間では約71万円も異なるという結果です。
住宅ローンに外構費用を組み込むことができれば、毎月の返済額の負担を大きく減らすことができます。
現在、変動金利の住宅ローンは、金利が1.0%を下回っている金融機関がほとんどで、固定金利でも1%台が相場です。
リフォームローンは1~3%台のケースが多く、フリーローン・カードローンはさらに金利が上がります。
実際、住宅ローンを10年で組むことはありませんのでトータルの利息額は増えますが、金利が低いローンを組んだ方が月々の負担を減らせることには違いありません。
ローンの手続きが1回で終わる
住宅ローンに外構費用を組み込むことができれば、面倒なローンの手続きを1回でまとめて終わらせることが可能です。
その他のローンを組む場合、借入する金融機関やカード会社などを探し、審査や契約などの手続きを1から行わなければなりません。
住宅ローンに比べれば手続きが楽とは言え、時間や手間は間違いなくかかります。
ローンの手続きの手間を軽減できる点も、外構費用を住宅ローンに組み込む大きなメリットです。
外構費用を住宅ローンに組み込む際の注意点
外構費用を住宅ローンに組み込む際の注意点をお伝えします。
見積書などを早い段階で準備する必要がある
住宅ローンは、建物の着工までに審査や本申込を進めるため、早い段階で外構の見積書などを金融機関に提出する必要があります。
中には、住宅ローンの契約や実行まで見積書提出を待ってくれるケースもありますが、審査の段階でおおよその内容や金額は決めておかなければなりません。
建物の打合せと同時進行で外構についても考え、ローンの手続きに間に合うように進めることがポイントです。
外構費用はローン控除の対象にならないケースが多い
住宅ローンを使うと「住宅ローン控除」を受けることができますが、原則として外構費用は対象になりません。
住宅ローン控除とは、無理のない負担で居住ニーズに応じた住宅を確保することを促進するため、住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得又は増改築等をした場合、年末のローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除する制度です。
外構費用の他に水道引き込み費用なども対象外となり、これらの金額を差し引いた住宅ローンの借入額を基に控除額が算出されます。
ただし、住宅の建築・購入と同じ業者に外構工事を依頼し、住宅建築費と外構費用の合計の1割未満の工事費用ならローン控除の対象になるという例外もあります。
住宅を建築・購入した会社とは別業者に外構工事を依頼した場合は、基本的にローン控除の対象外になるということを理解しておきましょう。
住宅ローンの借入額が増えると審査の承認が下りないケースも
外構工事を住宅ローンに組み込むことで全体の借入額が増えると、審査が厳しくなって非承認になるケースもあるため注意しましょう。
住宅ローンの審査の1つに、年収に占める年間返済額の割合を示す「返済負担率」という項目があります。
金融機関によって返済負担率のボーダーは異なりますが、20~35%程度に設定しているケースが多いです。
設定された割合を超えると、住宅ローンが非承認や減額になってしまいます。
非承認や減額になってしまう場合は、他の金融機関を検討したり外構費用分だけリフォームローンを組んだりするなど、いくつかの方法がありますので検討してみましょう。
住宅ローン以外のローンがおすすめのケースを紹介
新築時は住宅ローンに外構費用を組み込むと返済額の負担軽減などのメリットがありますが、様々な状況によっておすすめのローンは異なります。
住宅ローン以外のローンを組んだ方が良いケースをご紹介しますので、ご自身にはどれが合っているのか考えてみましょう。
リフォームローンがおすすめのケース
リフォームローンを利用すべきなのは、次のようなケースです。
- ・外構の計画をじっくり立てたい
- ・入居後に落ち着いてから外構工事をしたい
- ・外構のリフォームをしたい
注意点でもご紹介した通り、住宅ローンは申込や実行までに外構工事の見積書などが必要なため、早い段階で外構工事の計画を立てる始めなければなりません。
そのため、外構は建物の打合せが終わってからじっくり考えたいという方に住宅ローンは不向きなケースもあります。
リフォームローンなら、入居後の好きなタイミングで外構の打合せを進めて、ローンを組むことが可能です。
実際に新居に暮らしてみて、敷地の使い勝手や周囲からの目線などを体感してから、どのような外構にするかを決めることができます。
また、新築時ではなくリフォームで外構工事をする場合も、リフォームローンを利用するケースが一般的です。
リフォームローンは無担保で借入可能な商品もあり、住宅ローンを返済中でも審査が通る場合は多いです。
ただし、会社ごとの審査内容によって借入可能額は異なりますので、不安な場合は早めに審査を受けたりプロに相談したりすることをおすすめします。
フリーローン・カードローンがおすすめのケース
住宅ローンやリフォームローンの審査が通らなかった場合は、フリーローンやカードローンを検討しても良いでしょう。
反対に、それらの理由以外では金利が高いフリーローンやカードローンはおすすめしません。
新築の外構・エクステリア工事は早めに計画しよう
外構工事を住宅ローンに組み込んでお得に返済したいなら、早めに外構計画を立てることがおすすめです。
早めに外構の打合せを進めると次のようなメリットもあります。
- ・敷地の使い方を考慮して間取りや建物の配置を決められる
- ・建物の外観と外構をトータルコーディネートできる
- ・複数の外構業者を比較・検討する時間ができる
- ・住宅が完成後すぐに外構工事ができる
建物と同じタイミングで外構も検討し始めれば、住宅会社とは別業者を探す場合でもじっくりと時間をかけることができます。
外構もしっかりこだわりたいという方こそ、早めに検討し始めてくださいね。
まとめ
新築時の外構工事は住宅ローンに組み込むことで、月々の返済や手続きの負担を減らすことができます。
ただし、他のローンを活用した方が良いケースもありますので、ご自身の状況に応じて選んでみてくださいね。
住宅ローンに組み込むなら早めに外構計画を立て始めることがポイントですので、住宅会社選びと同時に外構・エクステリア会社も探し始めてみてくださいね。
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