【外構】階段のおしゃれな施工例7選|高低差を活かした作り方のコツを解説
敷地内にある高低差を解消するために、階段を取り入れた外構を採用するケースは少なくありません。
階段は外構のアクセントにもなるので、デザイン性にこだわってプランニングすることがポイントです。
もちろん身体への負担や転倒リスクなども考慮して、安全性に配慮することも忘れてはいけません。
そこで今回は、おしゃれな階段の外構事例を紹介し、高低差を活かした作り方のコツを解説します。
外構に階段をつくりたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
コラムのポイント
- ・階段をつくって敷地の高低差を解消することで、建物と道路への行き来がしやすく、安全性の高い外構になります。
- ・建物デザインと統一感のある階段を意識し、素材や色にこだわることがおしゃれにするためのポイントです。
- ・階段は敷地や使う人によって適切な範囲・寸法が異なるため、施工実績が多い外構・エクステリア会社に相談することをおすすめします。
外構に階段が必要なケースとは
基本的に建物は道路面よりも高い位置に施工するため、道路と玄関では高低差が生まれます。
高低差があまりない場合は、外構全体になだらかな傾斜をつけて対応したり、玄関ポーチのステップで解消したりすることが多いです。
しかし、敷地内で高低差が大きい場合は、玄関ポーチ周りやアプローチに階段をつける方法もあります。
階段によって高低差を解消することで、建物と道路間の行き来がしやすく、安全性の高い外構をつくることが可能です。
高低差を解消する方法としてスロープもありますが、十分な長さを確保できないと急な勾配になり、かえって危ないケースも。
階段の必要性は敷地によって変わりますので、施工実績の多い外構・エクステリアの専門会社に依頼することをおすすめします。
おしゃれな階段がある外構の施工例7選
階段のデザインにこだわることで、建物とのトータルコーディネートができたり、外構デザインのアクセントになったりします。
おしゃれな階段がある外構の施工例を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
①自然素材で仕上げたゆるやかな階段
行政から自然素材の使用が推奨されている地区での外構工事でした。
御影石の門柱や石柱を玄関・階段の前に施工し、外構のデザイン性を高めるとともに目隠しとしての役割も果たしています。
階段の縁は滑りにくく処理された御影石の縁石を使い、内側は乱形の石貼りにして明るい印象に。
車椅子を使う方がお見えになるとお伺いしたため、スロープも検討しました。
しかし、十分なアプローチの長さが確保できなかったため、蹴上が低くて踏面が広い階段をご提案。
段差をできるだけ少なく、かつ普段使いでもつまづきにくいような高さにこだわった事例です。
②外観との調和がとれたアプローチの階段
おしゃれなアメリカンハウスの外観との調和を考えた外構の施工事例です。
アプローチの階段は、オレンジや赤など暖色の自然石を数種類ミックスして乱貼りしています。
蹴込みにはオレンジ系のピンコロ石を積み、アクセントにしています。
アプローチの距離を長く確保できたため、1段1段を低くして広々とした2段のステップに。
門扉の先は、ステップのないアプローチで対応しました。
③高低差のある敷地を階段で美しく魅せた外構
道路と建物に高低差がある敷地のため、門扉までのアプローチに階段をつけた事例です。
ナチュラルな外観に馴染むように、素材選びや緑との調和を意識しました。
階段は、自然石の踏み板とピンコロ石の蹴込みで仕上げています。
踏み板全体に大きな自然石を敷くのではなく、サイズ違いの石をランダムに置いたり土や緑を見せたりして、ナチュラルな雰囲気に。
左右のブロック積みの範囲にもこだわり、階段を上っているときに圧迫感を感じにくいよう工夫しました。
④浮き階段風のおしゃれなデザイン
階段が宙に浮いているかのような、おしゃれなデザイン階段の施工事例です。
ステップ1段ごとに位置を斜めにずらし、オリジナリティのある洗練された階段に仕上げました。
蹴込みに黒いタイルを貼ることで、遠くから見たときに階段が浮いて見えるという手法を採用しています。
和モダンな外観デザインをワンランク高める、こだわりの階段がある外構です。
⑤ぐるりと回る「スロープ+階段」のアプローチ
道路側からのアプローチを進むと、玄関ポーチへ続く階段がある外構事例です。
ぐるりと回る動線を意識して、コンクリートや洗い出し、レンガで丸みのあるデザインに仕上げました。
階段横には、玄関ドアと同じ色の手すりも施工し、安全性にも配慮しています。
階段横は、石積みとちょっとした花壇スペースをつくりました。
玄関周りに植栽があると、外観デザインが一気に華やかな印象になります。
⑥アーチの階段で高級感のある外観に
駐車スペースと庭・建物の間に高低差がある敷地の外構工事でした。
可愛らしい外観デザインに合わせて、アーチ状の柔らかな印象の階段を施工しています。
階段とアプローチは、外観と統一感を持たせたイエロー・ブラウン系の自然石を乱貼りして、高級感のある印象に。
蹴込みは、花壇と門柱と同じレンガで仕上げています。
門周りの花壇もアーチ状にして、建物・外構をトータルコーディネートしました。
⑦二方向の階段で使いやすい動線を実現
道路と駐車場の二方向から門扉へ行ける階段を作った事例です。
徒歩での帰宅時や来客時は道路側の階段、車での帰宅時は駐車場側の階段と、使い分けることができます。
階段の中心には、表札が付いたおしゃれな門壁を造作し、裏手側はシンボルツリーを植えられるようなスペースにしています。
お庭には天然石とタイルで仕上げたテラスデッキを施工しました。
テラスの階段は、蹴上を低く踏み面は広くして、ゆったりと安全に上り下りできるように工夫しています。
玄関とタイルデッキは花壇で仕切り、おしゃれで居心地も良い空間をつくりました。
外構の高低差を活かした階段づくりのポイント
高低差が大きな敷地は、一般的な敷地と比べて外構計画の難易度が上がります。
安全性やデザイン性などを考えた階段づくりのポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
①階段を施工する範囲決める
まずは、敷地の高低差を考えて階段を施工する範囲を決めましょう。
道路から建物までが緩やかな坂になっているなら、アプローチ全体をなだらかな階段にしてもいいですし、階段の距離は短くして残りはスロープという選択肢もあります。
コンパクトな敷地の場合は、短い階段を施工した方が庭スペースなどを確保しやすいです。
階段の施工範囲によって勾配や段数が異なるため、身体への負担や庭・駐車場などとの広さのバランスを考えながら、階段の範囲を検討しましょう。
②階段の寸法を考える
階段の範囲が決まったら、幅・高さ・奥行きの寸法を決めていきます。
【幅の考え方】
外構の階段幅は、120~150cm程度は確保できることが好ましいです。
建築基準法では、住宅の室内階段の幅は75cm以上と定められていますが、外構では寸法の決まりはありません。
75cmの幅は、おとな1人が問題なく階段を上り下りできる寸法です。
しかし、外構の階段では、次のようなシチュエーションで上り下りすることが想定できます。
- ・両手に荷物を抱えて
- ・子どもと一緒に
- ・介護者をさせながら
- ・傘を差しながら
- ・杖をつきながら
このようなケースでは、最低でも120cmの幅があると安心です。
階段幅が狭いと歩きにくいだけでなく、服やカバンが両サイドの壁とぶつかって傷んでしまう可能性もありますので、ゆとりをもった設計をおすすめします。
【高さ・奥行きの考え方】
階段の高さは蹴上、奥行きは踏面と表現されます。
最適な蹴上・踏面は敷地の高低差や階段の距離によっても異なりますので、一般的な考え方を理解しておきましょう。
建築基準法では、住宅の室内階段の蹴上は23cm以下、踏面は15cm以上と定められています。
しかし、上記寸法では急勾配で足元も不安定のため、上り下りしにくいと感じる方が多いでしょう。
ちなみに、子供や足元が見えにくい映画館などでは、次のような寸法が基準です。
階段の種別 | 蹴上 | 踏面 |
---|---|---|
小学校の児童用 | 16cm以下 | 26cm以上 |
中学校、高等学校等の生徒用 | 18cm以下 | 26cm以上 |
劇場、映画館、演芸場、観覧場等の客用 | 18cm以下 | 26cm以上 |
外構の階段も、雨の日などは上り下りしにくくなりますので、上記寸法を参考にしてみても良いでしょう。
また、階段の寸法は歩幅に合わせて考えると良いとされています。
次の計算式に当てはめて蹴上・踏面を決めると、上り下りがしやすい階段の寸法を決めることが可能です。
- ・階段の高さ×2+奥行=歩幅(日本人の標準的な歩幅は60cm前後)
外構には階段の寸法に関する明確な基準はありませんが、安全性を確保するためにさまざまな基準などを参考にしてみてくださいね。
また、各蹴上の高さは必ず統一することがポイントです。
蹴上がバラバラだと、つまづいて転倒する危険性が高いため注意しましょう。
③滑りにくい素材を選ぶ
階段の踏み板には、滑りにくい素材を選ぶことがポイントです。
屋外の階段は、雨や湿気など天気の影響を受けやすいため、素材を工夫することで安全性を高めましょう。
例えば、表面に凹凸感のあるタイルや天然石なら、比較的滑りにくいです。
滑り止め加工がされているものもありますので、サンプルなどで確認しながら選んでみてくださいね。
④手すりの有無を考える
階段横に手すりをつけるのかも大切なポイントです。
急勾配な階段の場合や、小さなお子様や高齢者がいるご家庭では、手すりを付けておくと安全です。
手すりの高さに決まりはありませんが、75~80㎝程度が握りやすいとされています。
階段の降り口・昇り口には水平の手すりを20㎝以上付けておくと、スムーズに上り下りしやすいです。
また、手すりは握りやすく滑りにくいものを選ぶこともポイント。
手すりを付けることによって階段幅が狭く感じることもあるため、階段の寸法を決めるタイミングで手すりの有無も検討しましょう。
⑤照明やライトをつければ夜間も安心
夜間の安全性を高めたいなら、階段周辺に照明をつけておくこともおすすめします。
太陽光を活用するセンサーライトを地中に埋め込んだり、スポットライトなどで足元を照らす方法などがあります。
デザイン性にこだわりたいなら、階段の蹴込みに凹みをつくって間接照明を施工し、階段を柔らかく照らしてもいいでしょう。
⑥建物と統一感のあるデザインを意識して
階段を玄関ポーチ付近まで施工する場合は、建物と統一感のあるデザインを意識しましょう。
建物と全く異なる色味やテイストで階段を仕上げてしまうと、まとまりのない外観になってしまいます。
階段を玄関タイルの素材や色を合わせると、建物と外構が自然につながるためおすすめです。
建物のテイストに合うような、階段デザインを考えてみてくださいね。
⑦距離が確保できるならスロープという方法も
距離が確保できるなら、階段ではなくスロープという選択肢もあります。
段差のないスロープはより身体に負担がかかりにくく、車椅子利用者でも上り下りがしやすいです。
ただし、スロープは階段よりも勾配を緩くする必要があるため、長いアプローチを確保することが必要です。
短い距離でスロープを作ってしまうと、滑ったり転倒の可能性が高まったりするためおすすめしません。
階段やスロープの施工実績が多い外構・エクステリア専門会社に相談し、お住まいの敷地に適した方法を提案してもらってくださいね。
まとめ
階段をつくることで敷地内の高低差を解消することができます。
敷地に合わせて階段の範囲や寸法を決め、安全性の高い階段を採用しましょう。
建物との統一感を持たせた階段デザインを取り入れ、おしゃれな外観にトータルコーディネートしてみてくださいね。
つくばガーデンは、お庭の専門店として培った技術とノウハウを活かし、お住まいの敷地に合わせた階段のご提案をいたします。
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