【ブロック塀の高さ制限】建築基準法の内容と「控え壁」が不要な高さについて解説
ブロック塀には、建築基準法で定められた「高さ制限」があります。
基準を順守しないと、地震時に倒壊リスクも高まるため大変危険です。
そこで今回は、建築基準法に記載されているブロック塀の高さ制限についてお伝えします。
ブロック塀の厚みや配筋の基準についても解説し、控え壁不要な高さのブロック塀の施工事例もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
コラムのポイント
・ブロック塀の最大高さは、控え壁がない場合は1.2ⅿ、控え壁がある場合は2.2ⅿです。
・建築基準法では、高さ以外にも厚み・鉄筋・基礎・控え壁などの基準が定められています。
・施工力があり安全性とデザイン性どちらも考慮した外構を提案してくれるような、信頼できるエクステリア専門業者に相談しましょう。
Contents
ブロック塀とは
ブロック塀とは、コンクリートでつくられたブロックを塀にした建造物です。
ただブロックを重ねるだけでなく、鉄筋を組んでつくった基礎を土台とし、モルタルなどで補強しながらブロックを積み上げます。
外構で採用されるブロック塀は、プライバシー性・防犯性の向上や境界の明確化、デザイン性を高めるために採用されるケースが多いです。
ブロック塀には建築基準法で定められた「高さ制限」がある
ブロック塀は建築基準法で定められた「高さ制限」があります。
建築基準法施行令の「第62条の8」で制限の内容が明確に示されていますので、後ほど詳しく確認していきましょう。
まずは、ブロック塀に高さ制限が設けられた背景について解説します。
なぜ高さに制限があるのか
以前はブロック塀の高さに関する制限なく、3ⅿを超える高さやモルタルや鉄筋で補強されていないブロック塀も存在していました。
しかし、高く積み上げられた強度不十分なブロック塀が地震などで倒壊し、度々被害を及ぼします。
それ以降、ブロック塀の危険性が注視され、建築基準法で明確な基準が設けられました。
また、既存のブロック塀も安全点検すべきとされており、撤去費の補助金制度がある自治体も多いです。
参考:ブロック塀等の安全対策について|国土交通省
参考:危険ブロック塀等撤去費補助制度|つくば市
※2024年度の受付は終了
いつから基準ができたのか
ブロック塀に関する建築基準法の改正は度々行われています。
高さに関する主な改正内容は以下の通りです。
・1971年の改正:高さの制限を3m以下から2m以下に
・1981年の改正:現在と同じ基準の1.2m以下に
・2001年の改正:国土交通省が定める基準に沿った構造計算や実験の義務化
2001年の改正では、高さに関する基準は変更がありませんでしたが、構造計算や実験が義務化されました。
基準が明確化されることで、全国のブロック塀の強度の均一化が図れ、業者による仕上がりの違いが生じないことが期待できます。
ブロック塀に対する「高さ制限」の内容
では、具体的なブロック塀の高さ制限の内容について確認しましょう。
ブロック塀の最大高さ
ブロック塀の最大高さをご紹介します。
・控え壁あり:2.2ⅿ以下
・控え壁なし:1.2ⅿ以下
ポイントは、塀を支える「控え壁」の有無によって最大高さが異なる点です。
控え壁をつけることでブロック塀の強度を高めることができますが、庭が狭まったりレイアウトがしにくくなったりします。
そのため、控え壁が不要な1.2ⅿ以下のブロック塀を選ぶ方が多いです。
ブロック塀の高さはどこから測るのか
ブロック塀の高さは、低い位置の地盤面から測ります。
例えば、敷地内よりも道路の地盤面が低いなら、道路の地盤を0㎝とするのが正しい計測方法です。
「鉄筋コンクリートU字溝」ではなく、簡易的な側溝などがある場合は、側溝の底面を地盤面とします。
高さ以外にもブロック塀の基準がある
ブロック塀には高さ以外にも、建築基準法で様々な基準が設けられています。
厚さ
ブロック塀の厚みについての基準です。
・1.2ⅿ以下のブロック塀:10㎝以上
・1.2ⅿ超え2.2ⅿ以下のブロック塀:15㎝以上
高さのあるブロック塀は強度や安定性を確保するために、厚みを持たせることとしています。
鉄筋
基礎やブロック内の鉄筋に関しては、建築基準法で以下のような基準があります。
三 壁頂及び基礎には横に、壁の端部及び隅角部には縦に、それぞれ径九ミリメートル以上の鉄筋を配置すること。
四 壁内には、径九ミリメートル以上の鉄筋を縦横に八十センチメートル以下の間隔で配置すること。
六 第三号及び第四号の規定により配置する鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げて、縦筋にあつては壁頂及び基礎の横筋に、横筋にあつてはこれらの縦筋に、それぞれかぎ掛けして定着すること。ただし、縦筋をその径の四十倍以上基礎に定着させる場合にあつては、縦筋の末端は、基礎の横筋にかぎ掛けしないことができる。
ブロックや基礎につかう鉄筋の直径や配筋の間隔、配筋方法などが明示されています。
配筋に関しては、ブロック塀の高さに関わらず基準が統一されている点がポイントです。
控え壁
1.2ⅿ超え2.2ⅿ以下のブロック塀で必要になる、控え壁に関する基準をご紹介します。
・ブロック塀の長さ3.4ⅿ以下ごとに控え壁をつくる
・控え壁の突き出す長さは塀の高さの1/5以上とする(塀の高さは基礎から測定)
ちなみに、控え壁には直径9㎜以上の鉄筋を使用することとされています。
基礎
1.2ⅿ超え2.2ⅿ以下のブロック塀に限り、基礎の基準も設けられています。
・基礎の丈:35㎝以上
・根入れの深さ:30㎝以上
丈とは基礎全体の高さ、根入れとは土に埋まった部分の基礎の高さのことです。
1.2ⅿ以下のブロック塀の場合、建築基準法では基礎に関する基準はありません。
高さ制限内のブロックは何段積めるのか
控え壁不要な1.2ⅿ以下のブロック塀をつくる場合、何段のブロックが積めるのかをご紹介します。
ブロック1段あたりの高さは20㎝
一般的なコンクリートブロック1段あたりの高さは20㎝です。
そのため、1.2ⅿ以下のブロック塀をつくりたい場合、最大で6段まで積むことができます。
ただし、ブロック塀の高さには基礎も含まれる点に注意しなければなりません。
そのため、地盤面から1.2ⅿ高のブロック塀をつくろうとした場合、6段以下になるケースも多いです。
ブロックの上にフェンスを付ければ高さをプラスできる
1.2ⅿ以下の壁では低すぎて見栄えも良くないし、視線も遮れないとお考えの方もいますよね。
デザイン性やプライバシー性を高めたいなら、ブロック塀の上にフェンスを施工する方法が効果的です。
木目調なおしゃれなデザインや、隙間が少ない目隠しフェンスなど、様々な種類があります。
ブロックの上にフェンスを施工する場合でも、安全性に配慮して2.2ⅿ以下にすることが一般的です。
つくばガーデンでは、安全性やデザイン性、プライバシー性に配慮した、ブロック塀の設計施工をしております。
お住まいに合うブロック塀を知りたいという方は、お気軽にご連絡ください。
控え壁不要な高さのブロック塀の施工事例
控え壁が不要な高さのブロック塀を採用した、外構の施工事例をご紹介します。
①低いブロック塀で圧迫感のない外構に
地盤面から見えるブロックが2~3段分の低い塀を採用した事例です。
低いブロック塀でも道路との境界を明確にできますし、圧迫感も出ません。
ブロック塀の内側にフェンスを植栽を採用し、アプローチや玄関の目隠しにしました。
②レンガと馴染むブロックフェンス
3段のブロック塀の上に、メッシュフェンスを採用した事例です。
塀の横にはレンガ積みのオブジェをつくり、外構のデザイン性を高めました。
外構に馴染む色のブロックを選ぶことで、レンガと組み合わせても統一感が生まれます。
③洋風な住まいと調和するブロックフェンス
2段のブロックの上に、真っ白な洋風のデザインフェンスを施工した事例です。
敷地全体を囲むクローズ外構では、ブロックフェンスによって圧迫感が出やすい点がデメリットに挙げられます。
しかし、こちらの事例のようにブロック塀を低くしてフェンス選びを工夫することで、開放感のある外構デザインに仕上げることが可能です。
▷関連コラム:おしゃれな「クローズ外構」の施工例|後悔しないための6つの対策も
まとめ
ブロック塀には建築基準法で定められた高さ制限があり、控え壁なしのタイプにするには塀を1.2ⅿ以下にしなければなりません。
その他にも、厚さや鉄筋など様々な基準を守ることで、強度を保ったブロック塀を施工することが可能です。
しかし、明確な基準があるにも関わらず、施工業者によっては不適切な施工をされる可能性もあります。
施工力のある信頼できる外構業者に工事を依頼し、安全性の高いエクステリアに仕上げてくださいね。
つくばガーデンは、お庭の専門店として培った技術とノウハウを活かした外構をご提案する、エクステリアの専門業者です。
安全性・デザイン性・プライバシー性に配慮したブロック塀をご提案・施工いたします。
イオンモールつくば内に展示場がございますので、ぜひお気軽にお立ち寄り、ご相談ください。
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